Introduction研究科紹介

平成28年4月に、金沢大学に大学院先進予防医学研究科(医学博士課程)が新設されました。この背景には、昨今の医学において予防医学の重要性が格段に向上したことがあります。元来、衛生学・公衆衛生学がこの領域を担当して参りましたが、衛生学・公衆衛生学の分野だけではなく、臨床医学系の諸分野との有機的な連携のもとに担当して初めて、健康寿命の延伸とQOL(Quality Of Life)の向上という、予防医学本来の目的を全うできることが明らかになってきました。

本研究科は、千葉大学、金沢大学、長崎大学が連携して一つのカリキュラムを編成する共同大学院の一翼を担っております。カリキュラムはそれぞれの大学の特徴を生かした大変ユニークな編成となっており、その教育方法は、遠隔講義を中心としながらも、教員と学生だけではなく、学生間での学びをも促進させる新しい教育システムに基づいております。これら以外にも次のような特徴があります。

研究科長市村 宏

医学系ウイルス感染症制御学 教授

  1. 1.学位は、千葉大学、金沢大学、長崎大学の連名により、授与されます。
  2. 2.学生は、主指導教員(主として研究指導を担当する専任教員)が在籍する大学に本籍(学籍)を置くことになりますが、他の二大学の専任教員(副指導教員)二名からも研究指導を受けることができます。
  3. 3.学生は、三大学の施設等を利用することができます。

本研究科は、2017年4月に世界的予防医学研究拠点形成を目指して設置された金沢大学先進予防医学研究センターを研究の中心として、千葉大学、長崎大学を始め国内外の研究機関と疫学や予防医学を中心とした共同研究を推進しており、得られた研究成果を活用することにより予防医学教育の充実と高度化を図っております。また、YAMAZAKIプランとスーパーグローバル大学創成支援事業によって、金沢大学の国際化・グローバル化が加速しているところですが、本研究科においても、これまでの教育研究交流を活かし、デュッセルドルフ大学、ベトナム、ロシア、ケニアの大学等と単位互換制度やダブルディグリープログラムを推進することにより、大学院生や教員のさらなる国際化を進めております。

本研究科では、以上の教育と研究を千葉大学、長崎大学と共に展開することによって、個別化予防を実践できる先進予防医学研究者・教育者、並びに疾患の早期診断法、スクリーニング法により先進予防医学の方法論を臨床現場に応用できる臨床医・薬剤師などの医療従事者を育成して参ります。また、地域における「超高齢化少子社会」の医療・健康・介護・福祉のさまざまな問題の克服と、グローバル化社会における世界規模での健康問題の解決に向けて全力を尽くして参ります。

関係大学、関係諸機関各位の益々のご理解とご支援をお願い申し上げます。

平成30 年4 月1 日
金沢大学大学院先進予防医学研究科長
医学系教授 市村 宏

About

先進予防医学研究科について

金沢大学先進予防医学研究科は,千葉大学,金沢大学,長崎大学が持つ強みである,「マクロ環境評価・解析(千葉大学)」,「オミクス解析(金沢大学)」,「情報医工学(長崎大学)」を組み合わせたカリキュラムを編成します。この共同大学院では,従来の衛生学・公衆衛生学分野を基盤としながら,個人の環境の特性を網羅的に分析・評価し,0次予防から3次予防までを包括した「個別化予防」を実現する「先進予防医学」を実践できる専門家を育成する共同大学院です。
 この共同教育課程は,3大学の強みを生かしたカリキュラムであるとともに,3大学が有する国内・海外拠点のフィールド活用や,地理的に離れた地域のデータの集積・標準化等を行うことにより,本共同大学院の設置趣旨に適う教育研究・人材育成の基盤を担保しています。

本共同大学院は,千葉大学,金沢大学,長崎大学の国立3大学が持つ強み,

{ 千葉大学 }マクロ環境評価・解析

{ 金沢大学 }オミクス解析

{ 長崎大学 }情報医工学

を組み合わせたカリキュラムを編成しています。

先進予防医学の方法論

ミクロからマクロまで,基礎研究から臨床までを相互に関連させる

0次予防の概念を加えた“兆し前”からのアプローチ

カリキュラムマップCurriculum

1~2年次

先進予防
医学に関する
科目群

 オミクス情報からマクロ環境情報まで個人や環境の特性を網羅的に分析・評価するための知識・手法を学びます。

オミクス解析領域

  • 臨床遺伝学
  • 分子腫瘍医科学
  • 栄養代謝学
  • 分子薬剤応答学
  • オミクス解析

情報医工学領域

  • メディカルロボティクス
  • バイオインフォマティクス
  • 探索イメージング学
  • レギュラトリーサイエンス
  • 医療情報管理学
  • 情報医工学

マクロ環境領域

  • 行動・精神衛生
  • サステイナブル環境健康科学
  • 社会疫学
  • 放射線健康影響概論
  • 地域医療学
  • 医療政策・マネジメント
  • マクロ環境
研究支援
科目群

研究課題の設定と研究立案能力や研究遂行力を養うための基礎的素養の修得。

  • 課題研究
  • 研究実践レポート
研究支援
科目群

先進予防医学を学ぶための学問基盤を身につけます。
非医療系から入学する者のための科目も設けています。

  • 医学統計学・疫学
  • 生命倫理
  • 環境と遺伝
  • 医学基礎

年次

国内・海外
フィールド
実習に関する
科目群

 修得した知識を活用し,実践できる力を身に付けるための国内・国外での多様なフィールド実習。任意の科目を最低1科目以上履修する必要があります。

  • ゲノム実習
  • ヘルシーシティーズ・
    都市部コホート実習
  • 離島コホート実習
  • 過疎地コホート実習
  • 地域医療実習
  • 地域医療情報実習
  • 原爆被爆者健康診断学実習
  • 放射線臨床疫学実習
    (ウクライナ(チェルノブイリ))
  • 海外母子コホート実習(イタリア)
  • グローバルヘルス環境医学実習(ドイツ)
  • HIV/AIDS研究フィールドワーク実習(ケニア)
  • ウイルス感染症研究フィールドワーク実習(ベトナム)
  • 寄生虫感染症研究フィールドワーク実習(インドネシア)
  • グローバルヘルス実習(国際機関)
研究支援
科目群

学生ごとに設定された研究課題の遂行  

  • 特別研究Ⅰ
  • 研究デベロップメントⅠ

年次

研究支援
科目群

学生ごとに設定された研究課題の遂行

  • 特別研究Ⅱ
  • 研究デベロップメントⅡ

博士論文(学位論文審査)

{ 育成する人材像 }

従来の衛生学・公衆衛生学分野を基盤とし,新たな方法論として,オミクス情報からマクロ情報環境までの個人や環境の特性を網羅的に分析・評価し,教育研究分野や医療分野等で0次予防から3次予防まで包括した「個別化予防」を実践できる人材の育成を目指す。

  • ※共同大学院では,構成する大学から10単位ずつ履修する必要があります。
  • ※講義は,所属大学における対面型の講義と講義室以外で受講するVOD(オンデマンド型)の講義があります。VOD型の講義では,単に講義動画を視聴するだけではなく,Web上での課題やディスカッション等により,理解を深めます。
  • ※2年次から4年次に開講される研究支援科目では,所属大学が開講する実習科目と所属する以外の2大学から選任される副指導教員2名が開講する演習科目をそれぞれ履修することになります。

教員紹介Teacher

生体システム領域
研究分野 教授 准教授 講師 助教
核医分子イメージング学 webサイトを見る - 中嶋 憲一 - 若林 大志
疾患幹細胞学 webサイトを見る 平尾  敦 - - -
腫瘍遺伝学 webサイトを見る 大島 正伸 - - -
腎病態統御学 webサイトを見る - 原  章規 - -
システム生物学 webサイトを見る 金子 周一 - - -
循環予防医学 - - - - 多田 隼人
代謝領域
研究分野 教授 准教授 講師 助教
代謝生理学 webサイトを見る 井上 啓 - - -
栄養代謝学 - - 山下 竜也 - -
薬物動態安全性学 webサイトを見る 中嶋 美紀 - - -
包括的代謝学 webサイトを見る 篁  俊成 御簾 博文 - -
革新ゲノム情報学 webサイトを見る 田嶋  敦 細道 一善 - -
高次機能領域
研究分野 教授 准教授 講師 助教
分子免疫学 webサイトを見る 倉知 慎 榎並 正芳 喜多村晃一 -
認知症先制医療学 - - 篠原もえ子 - -
免疫生体防御学 webサイトを見る 華山 力成 平安 恒幸 - 河原 裕憲
機能解剖学 webサイトを見る 尾﨑 紀之 - - -
運動器制御学 webサイトを見る 土屋 弘行 - - -
微生物・環境領域
研究分野 教授 准教授 講師 助教
ウイルス感染症制御学 webサイトを見る 市村  宏 - - -
寄生虫感染症制御学 webサイトを見る - 所  正治 - -
公衆衛生学 webサイトを見る 中村 裕之 - - -
共生微生物学 - - - - 鷹取 元
環境生体分子応答学 webサイトを見る 西條 淸史 - - -
国際保健学 webサイトを見る - 石﨑 有澄美 - -

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